無名ブランドの認知度を高める戦略

自然界の動物同様に、消費者にも「ネオフォビア」という行動が見られます。「ネオフォビア」・・・って聞いた事ありますか?別の表現では「新奇恐怖症」つまり、未知なるものを疑ったり、避けたりする現象のことです。

 

消費者のこのような反応は想像以上で、ある調査によると、たとえ明らかな欠点があっても、また、状況次第ではリスクを被るかもしれなくとも、消費者は自分が知っているブランドを選択する傾向があるといいます。


最近の調査では、消費者は社名を知っている航空会社の方が、聞いた事のない航空会社よりも安全であると信じていることがわかりました。しかも驚いたことに、前社は評判が悪く、安全記録にも問題があり、発展途上国に本社があるという事実を知らされても、ほとんどが考えを変えることはなかったといいます。裏返せば、認知度はリスクよりも強力な判断要因だったのです。


別の調査結果もあります。実験室での食品試食テストでのことです。味の良いピーナツバターでも、聞いたことのないブランドのラベルが貼られていると、「おいしい」と評価する人の割合は2割程度にとどまりました。ところが味の劣るものでも有名ブランドだと思って試食すると、73%の人が「おいしい」と評価しました。

 

これと似たような話が化粧品や健康食品の分野ではたくさんあります。効能効果が高く、消費者が知ったら、必ずリピートして大ヒットの可能性のある商品が、新参メーカーで知名度が低いために売れず、廃番になっていくのを過去25年間にたくさん見てきました。ほんとうに残念に思います。

 

「知っているものと知らないもののどちらかを選ぶ時、たとえ問題があっても、知っている方を選ぶ」ほとんどのブランドにいえることですが、相対的に認知度の低いブランドにとって、「新奇恐怖症(ネオフォビア)」はやっかいな問題です。顧客ニーズを完全に満たしているわけでなくとも、有名ブランドが幅を利かせる一方、無名ブランドは一顧だにされないからです。ところが、「新奇恐怖症(ネオフォビア)」に対処する方法があります。莫大な宣伝費を投じることなく、応用可能な戦略を3つ紹介いたします。


◆買い手に時間を与える

時間の限られた状況で選択を迫られると、自分の知っている選択肢を選びやすいことがわかっています。無名ブランドを選択させるには、即断即決を迫ってはいけません。したがって、店内の静かで落ち着いた場所に陳列し、見込み客が立ち止まって、ゆっくりと比較検討できる環境をつくりましょう。


また、B to Bならば、営業活動の早い時期から見込み客のスケジュールを押さえておくべきです。大きなキャンペーンを控えているとわかっているならば、事前に購買部門等に顔を売っておけば、「知らない」という理由で無視されることもなくなります。


◆比較対照表を示す

無名ブランドの特徴を、有名な競合商品の特徴と並べて一覧表にするのも一策です。配合成分や配合量、効果、g当り単価などで差がわかればいいですね。容易に比較対照できれば、認知度に頼らない選択が可能になります。逆に、比較対照できない状態では、経験則に頼る傾向が強まります。


◆カテゴリーを変える

有名商品が目白押しのカテゴリーに無名商品で乗り込んだところで、認知度の壁に阻まれ、不利を強いられるのは必至です。全く新しいカテゴリーをつくるのは難しいですが、言い方を変えるだけでも印象は変わります。たとえば、「お肌にうるおいを与える成分配合」というのと、細胞ひとつひとつにうるおい成分を染み込ませるnano化成分配合」というのとでは、明らかに後者の方が新しいカテゴリーのような印象です。


正統な理由がある限り、認知度の低さはクライアントにとってマイナス要因ではありません。結果的に専門特化していれば無名でも問題はありません。また、専門特化している企業の場合、ライバルも同じく無名のことが多いものです。このような状況下では、顧客は認知度以外の長所と短所を検討せざるを得ません。

 


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