業界独特の常識
こんにちは!
美容事業経営コンサルタント 中野啓子です。
10年以上前で、もう時効かなと思うので
ご紹介したい事例があります。
ある展示会で面白い化粧品と出会いました。
宝石事業者様の入浴剤でした。
本物のダイヤモンドやルビー、サファイアを配合していて、
既存商品にないコンセプトを訴求していました。
ドラッグストアやバラエティショップでも
売れる価格帯でしたので、
「化粧品の問屋さんや小売店チェーンをご紹介しましょうか?」
と申し上げましたら、
「化粧品をどうやって売るのかわからないので、
ぜひ、教えてください!」
という話の流れになり、コンサルすることに・・・
商品はできていましたが、
問屋様向けの営業用販促ツールがなかったので、
その制作方法からご指導を始めました。
その一番最初のところで、この事業者様はつまづいたのです。
商品コンセプトも訴求内容もOK!
なのに、宝石産業業界の習わしで、
明記できない事項があったのです。
「化粧品業界は、それはメーカーが設定することで、
問屋さんや販売店は設定できないので、
設定してください。」と、ご指導したのですが、
「宝石産業では、それは問屋さんや小売店が設定するから
メーカーは作れない」と前に進まないのです。
「メーカーなんだから、そんなの簡単でしょ?」
と、化粧品業界しか知らない私は思うのですが、
宝石事業者様には、どうしてもできないのでした。
挙句の果てには
「問屋さんに設定してくれるように頼んでもらえませんか?」と。
「ありえない!ウソでしょう〜?」と思いつつ、
ダメモトで、25年以上おつきあいのある問屋様に聞いてみました。
すると、
「そんなのできるわけないってわかっているでしょう?
そういうめんどくさいメーカーは取り扱いできないから!
この業界でやっていけるように
中野さんがちゃんと指導した会社しか紹介しないでね!
そうじゃないところは迷惑だから!」
と叱られてしまいました!
結局、この宝石事業者様は、
その後、化粧品事業を廃業されたとのことでした。
もったいないな〜☆
実にもったいない!
化粧品どっぷりのメーカーにはない斬新なコンセプトで、
絶対にヒット間違いなしだったのにな〜☆
年間200万個は売れただろうに・・・
いまだに忘れられないことです。
新規参入業者様には
「郷に入っては郷に従え」
を推奨しております。
頑張る美容事業者様、いつも応援しています(^^)/
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2022.3.29