「売れる」と「売れない」の差は何でしょう?
マーケティング調査では絶対にニーズがあるという結果なのに、実際には売れないという問題。「売れる」と「売れない」にどんな差があるのでしょうか。
ある企業の実例です。その会社では健康食品を某テレビショッピングで販売し、受け上げが順調に伸びていました。ところが、粗悪な健康食品が出回り、業界の信用度が下がった影響でそれまで順調だった売り上げが急激に減少してしまい、あげくのはてはテレビショッピングでの取引もなくなってしまいました。
売り先がたったひとつしかなかったので、その後あわてて販路を探しました。一度のテレビ放映で数万個の商品を用意しなければならなかったので、倉庫には新品商品の山でした。その在庫の山の売り先を早急に探さなければいけません。食品なので、賞味期限が限られています。売れるのが遅くなればそれだけ古くなっていきます。
社長はその商品を店頭で販売しようと考えました。健康ブームのさなか、健康食品を取り扱うお店は全国にたくさんあります。まず、店頭販売の問屋さんをOEMメーカーさんから聞いて売り込みました。テレビショッピングで年間数万個も売り上げた自信ある商品です。ところが、バイヤーはいい顔をしませんでした。
「この商品は店頭ではほとんど売れません。店頭で販売したいなら、店頭で売れる商品をつくってから来てください。」その一言で商談は終わりました。