3月末に約10年くらいお世話になったカメラマンTさんから
退社のご挨拶メールをいただいていました
その方は中堅広告代理店の子会社のカメラマンさんでした。
 
私は長い間、某化粧品メーカーで
広告と広報を兼任していました。
パンフレットを製作するのと同時のタイミングで
広報用リリースの商品写真の撮影を依頼していました
商品の正面からカタログ用で撮る切り抜き写真は
商品がぶれることなく、陰影もちゃんとつけて
フォルムがはっきりわかるように
カメラの角度も同じようにして撮影。
 
一方で、イメージと言われる写真は
商品自体に動きを出したり、
角度を変えたり、
商品内容がわかりやすい小物を周りにあしらって
焦点は一点のみに合わせ、
全体をぼかしたような雰囲気ある仕上がりに・・・。
 
切り抜き写真はカメラと被写体を置く台を固定して
流し撮りのように撮っていましたが、
イメージ写真は1カット撮るのに約10時間くらいかけていました
春と秋、年に2回、新製品を
10シリーズくらい発売していましたから、
1シーズンにイメージだけで
10日以上の時間を費やしていたことになります。
 
朝9時頃から夜10時頃までスタジオにこもって、
その間にパンフレットやリリースの原稿を書いていました。
合間にマスコミ記者からの取材や商品貸出依頼に
対応しながら・・・。
 
Tさん、
ずいぶんと濃い時間を費やしていたものですね。
今はデジカメですから、
プロラボで現像しなくても
撮った写真の確認ができるようになりましたね。
 
一流の腕がなくても、
PCで修正ができるし、
カメラ自体が優秀だから、
自動的に露出も決めてシャッター速度も決めて
昔ながらの職人のような
カメラマンさんは少なくなってしまったのかもしれません。
 
1カット10時間もかかって撮影していたなんて、
ある種贅沢だったかもしれませんね。
でも、それだけ、1カット1カットに対して真剣でしたね。
 
また、あの頃のように一緒にお仕事がしたいですね。
それまで、どうか、お元気で・・・。

 

 

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2011.4.5

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