こんにちは(^O^)/
美容事業経営コンサルタント 中野啓子です。
私の社会人キャリアのスタートは化粧品のパッケージデザイナーでした。
で、最初は1年先輩のアシスタントで、先輩の指示どおりにデザイン画に色を塗る係でした。
35年も前のことですから、Macなんてありません。
手描きで、ポスターカラーをケント紙に塗り塗りするのです。
そこで、先輩はかわいいのだけれど、かっこいいリップクリームのデザインを目指していました。
で、私はひたすら、先輩の指示の色を塗り塗り・・・
すると、向こうの方で、何やら、先輩と50代の部長が言い合いしている声が・・・
部長「女の子が使うリップクリームなんだからさぁ〜、パッケージはピンクであるべきだよ!」
先輩「女の子はピンクじゃない色もスキなんです!」
その間に入った30代係長が、どっちの味方にもなれなくて、オロオロオロオロ・・・
確かにね、ピンク色はプラスチックに成型した時におもちゃっぽく、子供っぽく転びます。
大人っぽくなりたいから、色付きリップを塗りたいのに、パッケージがおもちゃっぽくては様になりません。
私は先輩の言う通りだと思っていましたが、その加勢する立場でもなく・・・
そんなこんなの戦いが毎日繰り広げられていたのでした。
で、そんな大事な主力商品のデザインの会議が、最終的に50代部長、40代課長、60代社長の全員ターゲットとはかけ離れた年代の男性のみ、社長室という密室で決められていたのです。
結果、年配男性たちの思いこみのこもったデザインに仕上がり、念のため、問屋さんのバイヤーに見せたのです。
すると、日本の化粧品市場を知り尽くす問屋さんのバイヤー様が
「まるで、男性好みのデザインですね。
若い女性に好まれるデザインにした方が売れますよ。
御社、女性のパッケージデザイナーはたくさんいたんじゃないですか?」
と言われたそうなのです。
・・・問屋さんの本部から帰社した上司から、またまた違う指示が〜〜振り出しに戻る☆
先輩と係長と部長とで、コンセプトの練り直しでしたが、先輩がどう説明しても、上司には理解できなくて。
理解できないからと言って、年配男性の強い思いを押し付けても、ターゲットには響きませんよね〜☆
私は言われるがまま、ひたすらポスターカラーを塗り塗りするだけでしたが、50代過ぎて、市場がわからなくなったら、若い子の声をちゃんと聞こう!そう決心したのでした。
そして、あの時の上司たちよりもずっと年を取った今も積極的に市場の声を拾っています。
ターゲットが欲しいと思わないものを作ることがいかに危険なことか、1億円分の売れなかった商品を夢の島に送った経験のある私には、身に染みてよくわかります。
男性社長一人で、若い女性用の商品企画をしていたら、ぜひ、ターゲットに近い女性の意見を取り入れてくださいね。